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とはいえ、腰が痛いんですけど、もっと腰をやさしくいたわる方法はないの?と思った人もいるかもしれない。

確かに、整形外科で行われる治療も最近まで、腰の痛みを和らげることを重視した受身の治療が中心だった。たとえば、痛みを抑えてくれる消炎鎮痛剤。腰を固定するコルセット。背骨を上下に引っ張ることで椎間板を圧力から解放してあげる牽引療法などなど。

牽引療法の応用で、校庭の高い鉄棒にぶら下がれば縮こまった腰が伸びて楽になる。でもその効果は一時的なもの。現在はもっと積極的に腰を守る筋肉を鍛える運動療法が治療の主流になっている。

背骨は1個1個を深層筋がつなぎ、全体を表層筋がつないで、ダイナミックな動きを可能にしている。これらの筋肉をカラダの前と後ろに分けると、腹筋群と背筋群に分かれる。背骨をヨットのマストにたとえると、腹筋、背筋は、帆にあたる。帆がたるむとマストは不安定にぐらぐら揺れて、根元(つまり腰椎)に負担がかかり、強い風にあおられて折れてしまうこともある。

スポーツ選手の場合、腹筋や背筋をしっかり鍛えていても、筋肉疲労が限界にきているようなときに激しい動きをすると、ショックがじかに腰椎に伝わり、クッション役の椎間板がつぶれてしまう。椅子に座って勉強している時は、もちろんスポーツのように強い衝撃は無いけれど、運動不足で腹筋力や背筋力が低下してくれば、相対的に、腰への負担が増大するわけだ。

スポーツ外傷のようにはっきりと原因を特定できない慢性のよう腰痛を医学的には非特異的腰痛と呼んでいるが、実際、非特異的腰痛では、腹筋力や背筋力が低下していることが分かってきた。

そこで、日本整形外科学会がすすめている、腹筋と背筋の簡単なトレーニングを紹介しよう。勉強の合間でもできるので、腰痛のある人もない人も、トライして欲しい。

まずは腹筋から。
仰向けに寝て、椅子やベッドの端などに足を乗せた状態から、あごをひいて状態を45度起こし、5秒間キープする。これを10回繰り返す。

次に背筋。
うつぶせに寝て、おへそより下の位置に棒状に丸めたバスタオルなどを挿入した状態からあごを引いて状態を10cmほど浮かせ、5秒間キープする。これを10回繰り返す。

ね、簡単でしょ?腹筋や背筋のチカラがなくて上体が上がらない人は、無理に上げようとせずに、お腹や背中にチカラを入れて上体を持ち上げようとするだけでもいい。また、すでに腰痛がある人は、絶対に無理はせず、痛くなったらすぐにやめること。

この腹筋や背筋のトレーニングを1日2セット続けるだけで、腰痛がみるみる改善することが日本整形外科学会の研究で明らかになった。腰痛持ちのご両親にもすすめてあげてね。
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