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野球、サッカー、テニス、水泳。部活に熱心に取り組んできたひとには、腰痛持ちが多い。調査によると、中学のスポーツ選手の20~30%が腰痛に悩み、高校では30~40%にもなる。

腰痛なんて、ボクには関係ないや、と思った人は、ちょっと待って。勉強は座ってするものだよね。受験勉強に精を出すってことは、1日24時間に占める座位時間、座っている時間が増えるってことだ。この座ること自体が実は腰に大きな負担をかけている姿勢なんだ。

腰痛はヒトならではの宿命とも言われる。体重を四本足で分散して支えている犬や猫やネズミには腰痛が無い。直立二足歩行を始めて手で道具を使えるようになったことがヒトの進化のゆえんといわれているけれど、同時に、てっぺんに重たい頭蓋骨を乗せてぐらぐらと不安定に揺れる背骨を支えながら歩かなくちゃならなくなった。特に背骨の一番下の腰椎(ようつい)にはとんでもなく大きな圧力がかかっている。

理科実験室でヒトの骨格模型を見てみよう。背骨は、26個の骨が積み木のように重なってできているのがわかる。一番上は頚椎(けいつい)、つまり首の骨で7個もある。その下は胸椎(きょうつい)が12個。その下が腰椎で5個、それに仙骨、尾骨で26個だ。

模型では台にぶら下がっているけど、実際の背骨は傾いた骨盤の上に、緩やかなS字カーブを描いて積み重なっている。1個1個の背骨同士はインナーマッスルとも呼ばれる深層筋や腱でつながっていて、互いに連動するようにできている。また、背骨と背骨の間には、椎間板というゼラチンを軟骨でくるんだものが挟まっていて、クッションの役目をしている。実によくできているよね。
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