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ちょっと専門的になるけれど、インフルエンザウイルスの表面にはHとNというたんぱく質のトゲがある。Hは16種類、Nは9種類あって、ユニクロの色みたいにHとNの組み合わせで理論上は144種類のインフルエンザウイルスが存在しうる。

今問題になっているのは、H5N1型。毒性が強く、鳥に感染すると数日で死んでしまうたが、1997年に香港で人に感染するH5N1型ウイルスが見つかった。以後、このインフルエンザによる死亡者はベトナムを中心に60人にのぼっている。

H5N1型は今のところ、例えばニワトリをさばいていてH5N1型に感染したニワトリに接触する、といった極端な場合を除き、ヒトには感染しにくい。ウイルスはHとNのとげを使って粘膜の細胞の表面の鍵穴のようなところに刺さり、細胞内にもぐりこむのだが、H5N1型のトゲはヒトの細胞の鍵穴に合わないようだ。

ところが、鳥の体内でウイルスが増殖を繰り返すうち、あるいは鳥から豚へウイルスが感染して豚の体内で増殖するうち、遺伝子変異によって、ヒトの細胞の鍵穴にも合うH5N1型が登場する危険性が、専門家によって指摘されている。これが世間を騒がせている新型インフルエンザウイルスで、今のところまだ地球上のどこにも発生していない。

でも、もし発生すると、この新型インフルエンザによる死者は最大1億5000万人にのぼるとみられる。1981年に大流行したH1N1型インフルエンザ、通称スペイン風邪は全世界で2000万~5000万人の死者を出したが、それ以上の猛威を振るう可能性もあるという。
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