インフルエンザの予防接種に代わって脚光を浴びるようになったタミフルという薬についてみていこう。
インフルエンザ治療薬のオセルタミビル (oseltamivir) は、オセルタミビルリン酸塩として、スイスのロシュ社により商品名タミフル (tamiflu) で販売されている。
ウイルスは僕らの細胞にもぐりこみ、細胞に備わった仕組みを巧みに利用して増殖するのだが、タミフルは増殖したウイルスが細胞の外に出られなくする作用がある。感染した細胞は白血球の仲間によって駆除されるので、細胞から細胞へと感染が広がらなければ、やがて治ってしまう。
ウイルスが増殖するときのこの仕組みはH5N1型も同じだから、タミフルは新型インフルエンザにも効くのでは、と期待されているというわけ。
タミフルは医師に処方してもらうクスリで、鼻水をたらしながら、まっすぐ薬局へ行っても売ってくれない。
病院好き、クスリ大好きの日本はタミフル天国で、過去5年間に2400万人がタミフルの処方を受けた。これは全世界の処方量の実に77%を占めるというから驚き、というより、かなり異常な感じがする。