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メタボリックシンドロームとはなんだろう?

体には血管が走り、血液が流れている。「てェーのひらを太陽にすかして見ればァ~まっかァーに流れるゥ~」である。

その血液の大事な役目は、酸素と栄養を全身に運ぶこと。思春期の女子に多い貧血は、鉄分が不足して、酸素を運ぶ赤血球の働きが低下するために起こる。貧血に悩んでいる人は、鉄分を多く含む納豆、アサリなどの貝類、レバー、卵黄などをしっかり食べるといい。鉄分は豆類に多いから、納豆でなくてもあんこの詰まった豆大福でもいい。でも、食べすぎたら、メタボになっちゃうね。

貧血が血液の運ぶ酸素の不足した状態なら、メタボは血液中の栄養が過剰な状態だ。血液にはたとえば糖分が溶けこみ、脳ミソや全身の細胞にエネルギーを供給している。血液中の糖分だから、これを「血糖」という。血液にはまた、コレステロールや中性脂肪などが溶けこみ、これらは「血中脂質」と呼ばれる。

コレステロールというと悪いイメージがあるけど、善玉のコレステロールもある。中性脂肪もたとえば学校に遅刻しそうになって、駅まで走り続けるようなとき、血糖だけではエネルギーが足りなくなると中性脂肪が分解されて、エネルギーになる。

つまり、血糖もコレステロールや中性脂肪も、カラダには本来欠かせないものだ。でも、過剰な状態が続くと、カラダによくないことが起きてくる。  血液を川の水にたとえると、わかりやすい。 川の水がドロドロした状態が続けば、川岸もいろんなものが付着して汚れてくるよね。

血管も同様で、血中脂質過剰な状態が続くと、血管の内側に脂質がたまって、こぶのようにせり出し、詰まりやすくなる。また、血糖が過剰な状態が続くと、酸素意を運ぶ赤血球の成分と血糖が結合して固まりになり、血管の内側を傷つける。さらに、上流から高い圧力がかかって流れ続ければ、血管が傷んで破れやすくなる。

血糖が過剰な状態が続くのが糖尿病。悪玉のコレステロールが過剰になる一方、善玉のコレステロールが不足するのが脂質異常症。血液が異常に高い圧で流れるのが高血圧。これらは昔、成人になるとかかりやすい病気という意味で「成人病」と呼ばれたが、近年、成人になる前にかかる人が増え、「生活習慣病」と呼ばれるようになった。
 メタボリックシンドロームって言葉はみんな聞いたことがあるだろう。

メタボリックは代謝、シンドロームは症候群。体の代謝がおかしくなった状態のことで、いまやの本陣の1000万人、予備軍も含めると2000万人。40歳以上の男性の2人に1人、女性の5人に1人が該当するという。

ボクらのお父さんも、2分の1の確率でメタボ。「お父さんて、メタボなの?」とちょっと意地悪な質問をしたら、どんな顔するかな。

でも、逆にお父さんから「おれは大丈夫だけど、おまえ、メタボじゃないの?」と言われたら「エッ?」だよね。でもリアルにその可能性はある。厚生労働省の研究班の調査で、高校生男子の5%、女子の3%がメタボなことが明らかにされているのだ。

受験勉強が忙しくなって、運動不足になると、メタボになる危険は誰にでもある。難しい話は抜きにして、メタボのことをちょっとだけ勉強してみよう。
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