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ウイルスが感染するときは、鼻や喉の粘膜の細胞にまずもぐりこむ。粘膜は繊毛(せんもう)と呼ばれる細かい毛におおわれており、粘液を分泌し(これが増えると鼻水や痰になる)、ウイルスなどの異物の進入を防いでいる。その粘膜をいたわることが風邪予防のポイントだ。

粘膜は乾燥に弱く、乾くと繊毛の動きが鈍くなる。しかも、ウイルスは乾燥した環境を好んで増殖するので、部屋の保湿はとても重要だ。

勉強部屋や寝室には、できれば加湿器を置き、湿度を60~70%に保ちたい。

寝る前にバスタブにつかり、浴室の湯気をゆったりと呼吸してから休むのも効果的だ。

加湿器のない学校や塾などでは、お湯を入れたカップや熱湯でしぼったタオルを机の上に置くだけでもずいぶん違う。

先生に見つからないように、こっそりドロップをなめるのも、風邪予防のためならオーケー。いろんなのど飴が市販されているけど、当分字体に粘膜保護作用があるので、自分の好きなキャンディーでもかまわない。

甘いもののほか、レモンやミカンなどの酸っぱいものを口に含むことも、唾液の分泌を促し、喉の粘膜保護に役立つ。

外を歩く時は、まめにマスクを。これは単純だけど、意外に効果があるのだ。
異物の侵入をマスクが防いでくれるだけではない。吐いた息がマスクの内側にこもるので、喉の乾燥をも防いでくれる。

特に花粉症などで鼻が詰まりやすい人は、口呼吸になり、のどがいつも乾燥した状態になるので、マスクの着用がmustだ。

マスクはかっこ悪くて…、というひとにはマフラーを薦めたい。タートルネックのセーターでもいい。喉が冷えると、粘膜の血行が悪くなり、繊毛の動きが鈍くなるので、のどを温かく守ってあげよう。
今年は新型インフルエンザにウイルスの出現に備え、国内のタミフルの蓄えを増やそうと厚生労働省みずから音頭をとり、2500万人に供給できる体制を整えつつあるようだ。

おかげで、インターネットによる薬の取引も過熱し、病院で処方してもらうと5日分10カプセル3637円のタミフル(自己負担額はその3割)が、海外からの個人輸入代行では10倍近い3万円前後で取引されているらしい。

でも、タミフルに頼りすぎるのは禁物だ。

まず知っておきたいのは、タミフルはインフルエンザにかかってから48時間以内、つまり感染初期に早めに服用しないと、効果は無いってこと。

もうひとつは、タミフルの副作用。タミフル服用との因果関係が証明されたわけではないが、タミフルを飲んだ後、少年がマンションから転落したり、トラックに飛び込んだりする異常行動を起こし、死者も出ていたことが報告されている。

日米の子供への処方量の比較では、日本は米国のなんと13倍。副作用があるかフォ羽化はともかく、僕らが世界的に見て異常な「クスリ漬け」になっていることは事実のようだ。

次の記事では、クスリに頼らずにすむカゼの予防の基本を見直そう。
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